「斜頭症? 頭の形を丸くする」
斜頭症や絶壁などの情報館
従来、頭の形は健康に影響を与えないと
言われていました。
2024年現在も「頭の形は見た目だけの問題」と言い切る医師が多く、斜頭症専門と言う先生の中にもこのような考えの方が少なくありません。
ですが、1980年代以降、頭の形と健康に関して多くの論文が出されており、日本以外では頭の形と健康は切っても切れない関係であるという考えが広く定着しています。
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頭の形は大きく分けると次のような問題を引き起こします。
- 見た目に関する問題
- 運動発達の遅れ
- 精神発達の遅れ
- 骨格への負担
- 学習能力への影響
- 知覚系の問題
- 精神面への負担
- 不定愁訴など
これらについて解説を
行っていきたいと思います。
見た目に関する問題
一番初めに気になる事が見た目に関する問題でしょう。特に赤ちゃんの場合、髪の毛の量も少なく気になりやすい傾向にあります。諸外国でも頭の形がいびつな事によるいじめ問題が発生していますが、シンメトリー性を求める傾向が強い日本では小中学生が頭の形を揶揄されて相談されるケースも少なくありません。目の大きさや位置の問題、鼻の曲がり、噛み合わせのズレ、耳の位置、歯並びの悪さと言った悩みを多くの斜頭症などの方が悩まれております。
運動発達の遅れ
頭の形がいびつな子は、寝返りが遅れる傾向にあります。寝返りができても片方だけしかできなかったり寝返り返りができないと言うケースも多くみられます。またつかまり立ちや1人歩きも遅く、歩き始めても凹凸のない地面で爪先が引っかかって転倒してしまう事も珍しくありません。
精神発達の遅れ
喃語や言葉の遅れが出るケースも珍しくありません。中には4歳になっても言葉が出なかったり、完黙症と言って普段は話せますが何かの時に言葉が出ない、また吃音(どもり)が起こる事も少なくありません。また、全体的に発達が遅くなり精神発達遅滞と診断されるケースも見られます。
骨格への負担
頭の形がいびつだと顔の形もいびつになり顎の骨が非対称になったりする事が分かっています。また股関節に負担がかかり、左右の股関節の動きが異なるだけでなく、脱臼や亜脱臼が起こる事も知られています。他にも背骨が横に湾曲する側湾症や首が傾く斜頸の原因になる事も分かっています。
学習能力への影響
言葉が遅れるとそれだけ認知も遅れると言われています。実際に斜頭症等のお子さんはそうでないお子さんに比べると小学校に入学する際に何らかの補助が必要な割合が高い事も分かっています。また小学生のお子さん斜頭症を矯正する事で学習能力が上がると言う報告もあります。
知覚系の問題
特に目に関する問題と耳に関する問題が起きやすい事が指摘されています。目に関する事は斜視になりやすく、成長と共に左右の視力に差が出たり乱視が起きやすいと言う報告もあります。耳に関しては、小学校低学年までは中耳炎になりやすいと言われ、それによって耳の聞こえに影響を及ぼすと考えられています。
精神面への負担
無事に育ったとしても精神面に影響を与える可能性があります。例えば、斜頭症の男性は結婚率が低いと言う報告もありますし、またうつ病になりやすいと言う報告もあります。小さい時から揶揄されていたりするとそれがネガティブな感情を持ちやすくなるとも言われています。
不定愁訴など
大人になっても頭痛や肩こり、首の痛み、股関節の痛み、腰痛と言った症状が出やすく、他にも精子が少ない、排卵が片側に偏るなどと言った不妊症の原因になると言う報告もあります。以上の事から斜頭症と言うのはその方の人生において大きな問題を及ぼしますので厚生労働省では「中等度以上の頭蓋変形では、持続的な頭部自重がかかるために頭蓋の変形が増悪、固定化し、疾病の進行は不可逆的であることから、適応疾病の重篤性は B と判断される」と報告しています。
中等度以上の斜頭症などは成長と共に良くなる事はないと論文で示されています。非常に軽いものであれば赤ちゃんの寝姿勢などをご両親がコントロールするポジショニングなどで改善するケースもありますが、生後3か月もするとドーナツ枕などはあまり効果を期待できなくなくなりますし、アメリカでは斜頭症用の枕が乳幼児突然死症候群の原因になるという報告もありました。
「いつかは良くなりますよ」と言った言葉に惑わされず、専門家に相談を受ける事を強くお勧めします。
どこで相談を受ければ良いですか?
それではどこで斜頭症などの相談を受ければ良いのでしょうか?ー
日本では現在、
・ヘルメット療法
・構造学的マッサージ
・整体やカイロプラクティック、オステオパシーのような民間療法
があります。
◇ ヘルメット療法
生後8か月くらいまで(一部では1歳くらいまで)でなら矯正用の専門ヘルメットを被るヘルメット療法を受ける事ができます。
日本では東京女子医大の藍原先生が日本におけるオーソリティとして知られており、その後国立成育医療センターなどでも診療が始まり、現在では多くの医療機関で行われています。管轄は厚生労働省。
◇ 構造学的マッサージ
解剖学と人間工学を融合した「人体構造学」(多くの医学部で専門科目として取り入れられ始めています)の専門家による西洋医学から生まれた最新の用手的マッサージ療法です。マッサージの持つ「変形矯正作用」を利用したもので、日本においては池袋にある「べびきゅあ」でしか受ける事ができません。生後1週間から40代くらいまで受ける事ができます。大学病院とも医療連携をしており2019年には保健所の施術調査を受け「医師法に違反する事項は確認できなかった」と判断されている施術です。管轄は厚生労働省。
◇ 整体やカイロプラクティック、オステオパシーのような民間療法
上記2つとは異なり、管轄はエステティックと同じ経済産業省。医療費控除の対象となりません。
整体を受けることで症状が悪化する事例が少なくないだけでなく、過去に死亡事故も複数起こしていて消費者庁も注意喚起をしています。また「整体による斜頭症の施術」は医師法やマッサージ師法に抵触する可能性が考えられます。
斜頭症の相談は赤ちゃんであれば助産師や保健師ではなく、斜頭症に詳しい専門家に相談を受け、安易に「いつかは良くなる」という言葉を信用されないようにしてください。
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