斜頭症等に用いるヘルメット治療に関する考察(東京 池袋)

ヘルメット治療の知られていない問題点

2007年に日本でも始まったヘルメット治療。
当時は日本で1か所しか専門で診てくれる病院はありませんでした。
2024年現在、ほぼ都道府県全てに専門の病院があり都内でいうなら20か所以上にもなります。
ここまでヘルメット治療が以前よりも身近なものになってきたのですが、残念ながらヘルメット治療に関する情報が少ないのが現状です。
ここではヘルメット治療があまり得意ではない形状と、ヘルメット治療によって起こりうる変形について書いていきたいと思います。

1) ヘルメット治療があまり得意でない形状

あくまで基本的な話なのですが、
ヘルメット治療……成長誘導
手技療法(マッサージ施術)……偏位修正
を得意とする矯正方法なので、ヘルメット治療は
・パーツの左右差
・長いものを短く
が得意ではありません。
そこでヘルメット治療が得意としない5つのものを紹介したいと思います。
(紹介したケースは「べびきゅあ」で矯正を受けたケースです)

ハチ張り

いわゆるハチ張りはヘルメットの構造上改善を苦手とします。
その理由はヘルメットは耳の位置をベースにして頭蓋骨の両サイドを固定する様になっているので頭の幅を狭くするのは得意とはしていません。
それなので写真の様にハチを目立たせないようにしながら後頭部を丸くするのは期待する程の効果が得られないことも。

烏帽子型

頭蓋骨の後方が上の方に伸びてしまういわゆる「烏帽子型」変形。
基本ヘルメット治療はハチ張り同様に出っ張った部分を目立たなくさせる事を苦手とします。
特にこの烏帽子型と斜頭が組み合わさるとヘルメットが浮きやすくなり耳の上に半月状の変形を新たに作ってしまう事もあります。

才槌型

後頭部が後ろの方に伸びてしまう長頭症の一形態で才槌頭といいます。
ヘルメット治療は基本“長くしていく”のを得意として、短くするのは苦手です。
この才槌頭と呼ばれるタイプの長頭症は特に苦手としている様で、現在日本で流通しているヘルメットでは改善が難しい様です。

耳の左右差

斜頭症でよく見られる耳の位置の左右差もまたヘルメット治療は苦手とします。
耳の位置の左右差は、前後、上下、ミックスの3種類があり、特に上下の左右差は改善が難しい様です。
元々、耳の位置でヘルメットを固定して回転しない様にしているから。多くの専門病院では耳の位置の左右差は改善しにくいと説明されると思います。

額の左右差

頭の後ろの矯正を得意とするヘルメットは額の左右差も苦手とします。
ヘルメット治療終了後でも額の左右差が残っているのが分かると思います。
それは額の左右差の原因は前頭骨の変形よりも偏位の影響が大きく、偏位はヘルメット治療で改善しにくいからで、これは構造学的マッサージの得意とするものです。

2) ヘルメット治療によって引き起こされる事がある変形

正しくヘルメットを調整して指導された使用法を守っていれば問題がないのですが、時折、正しく使用されていない事で変形を生じさせる事があります。
・指導された時間や期間を守る
・装着方法を守る(傾いていないかなども気をつける)
・装着時に耳たぶが変形していないか注意する
・ヘルメットを外した際に強い圧迫痕がないか注意する
・ヘルメットの内側に変な凸凹がないか注意する など
一般的にヘルメットを扱う医療機関からも話がある内容です。
装着時には十分ご注意ください。

①頭頂部に盛り上がる様にできる円形変形

これはサイズアウトしたヘルメットを使用し続けている方に良く見られる変形です。
サイズアウトというのは頭蓋骨が成長する事でヘルメットの装着許容範囲を超えてしまった状態です。
高額な費用を払っているのだから少しでも長く装着したいと考えるのも良く分かります。
ですが頭頂部が盛り上がるので見た目も良くありませんし、発達を阻害する事もあります。
日本でも数件、ヘルメット治療を適切に受けなかった事で発育に問題を起こしたケースがあります。
装着時間や装着期間は指導された事をしっかりと守る様にしてください。

②こめかみ部にできる陥凹

これはヘルメットの調整の問題です。
ヘルメットが脱げやすいとか回りやすいのを防止するためにこめかみ部分の圧迫はある程度必要です。
ですがここの圧迫が強すぎると次第にこの部分が凹んできます。
変形が小さければしばらくすれば戻りますが(筋肉だけが圧迫されている)、
強い変形の場合、ヘルメット終了後も凹んだままになってしまいます。
ヘルメットを外した際にその部分の着色が強いなどの場合は修正が必要な事があります。
※ ヘルメットの中にはこれを避けるためにこめかみ部分の圧迫がない種類もあります。

③耳の上にできる線状の凸変形

ヘルメットを装着する際にシェル(ヘルメットの外側の部分)のジョイント部分がしっかりと接続されていなかったり、その部分が歪んでいると起こる変形です。
原因はサイズアウトもしくはヘルメットシェルのたわみです。
髪の毛で目立たない部分ではありますが髪の毛を洗うと気になってしまいます。
変形の度合いによっては大きくなっても残ってしまうので注意が必要です。
特に一部のヘルメットは脱着を繰り返す事でヘルメット自体がたわんでしまい接続部が凸凹状になります。
定期的なメンテナンス時に合わせて修正してくれる事がありますが、場合によっては患者側から指摘して修正してもらう事もある様です。

④耳の上にできる半月状変形

斜頭症タイプ5もしくは短頭症タイプ3の方に起こりやすい変形です。
特に烏帽子型(短頭症タイプ3よりさらに上方に変形が進んだタイプ)の方はヘルメットの種類を考慮しないとここに変形を起こします。
どうしてこういった変形が起きるのかというとヘルメットが浮いてしまい、本来ホールドしたい部分にヘルメットが当たらないからですね。
その結果、ヘルメットの形に盛り上がってしまうのです。

⑤額にできる線状の凹変形

これも斜頭症タイプ5もしくは短頭症タイプ3の方に起こりやすい変形。
ヘルメットの後部が浮いてしまい、その結果額にヘルメットの前部が当たりやすくなった結果こういった変形を生じます。
またヘルメットの調整不足で少しきつめになっている時やサイズアウトしている時も起きやすいです。
特に低月齢でヘルメットがきつい時が1番起こしやすかったりします。

以上からヘルメットは適時・適切な調整を行い、適切な時間、適切な期間着用する様にすればこの様な変形は起きないと言えるでしょう。

関連ページ

その他のコンテンツ

アクセスマップ